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全体に白っぽい淡灰色で、焼成がやや甘かった為か表面が風化し、柔らかな印象のきれいな瓦経片です。
大日寺瓦経は現在まで確認されている、およそ二十五ヶ所の瓦経出土遺跡のうち最古の紀年銘、延久三年(1071)を持つものです。
昭和9年、鳥取県倉吉市桜の大日寺裏山から発見され、全国各地の博物館に所蔵されておりますが、本片は、山陰歴史館の初代館長足立正氏(1865 - 1947)足立コレクションに繋がる部分と考えます。
通称、大日経、正式には大毘盧遮那成仏神変加持経は、唐代に善無畏が翻訳し一行(いちぎょう)が筆受、全七巻三十六品からなり、本片も足立コレクションも共に巻第二の入曼荼羅具縁真言品第二之餘からです。
本片の判読可能な五行目の最後の文字はおそらく「勝」の異体字(矢印)で、その後十七文字、五文字偈の二十文字づつで行数を観ていくと、ぴったり十一行目が足立コレクションの最初の行(参考画像右端)につながるようです。
大日寺瓦経は、瓦経には珍しく横の罫線が引かれていたり、縦横の寸法も幾種かあることから経典により寸法を変えた可能性も指摘されており、最初期の瓦経の姿を留めていると言われます。
本片では、金銀で始まる五文字偈の最後「寳」の異体字を、ウ冠の中にひらがなの「ぬ」を書くなど、どこか親しみをおぼえる書も大きな魅力と思われます。箱なし
ほぼ三角形の各辺:11〜12センチ
参考画像:立正大学人文科学研究所年報 「伯耆大日寺瓦経について」池上悟氏 より |
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